「リスクをとることに不安を感じるなら、あまり大きなリスクはとらない方がいい。しかし、まったくリスクをとらないというのは、実は最も大きなリスクだということは覚えておいた方がいい。」(ジェフ・ケラー)
不安や恐怖のおかげで人類の今がある
人間は、良いことよりも悪いことにとても敏感です。だから常に安全安心な行動パターンを取ろうとします。
例えば、毎日テレビやネットで見るニュースの多くが、事故や事件、芸能人や誰かの不祥事など悪いことや問題ばかりが注目されています。また、学生時代に飲食店でアルバイトをしていたころ、いつも同じ注文をする常連さんを何人も見かけました。
ニュースばかり見て世の中は悪で満ちているなどと刷り込まれて錯覚するくらいならニュースなんて見ない方が良いですし、自分の脳が感じるコンフォートゾーンを超える挑戦をしないと成長がないのは事実です。
しかしこの悪いところに敏感というネガティブな思考は、人類が生き残るうえでとても大切なものだったのです。
動物は新しいことに挑戦しませんし、肉食動物が草食動物になったりその逆も含めて、いつも安全と分かった同じパターンでしか行動をしません。我々人類も動物から派生したことを考えれば、怖がりすぎても死ぬ事はないが、恐れ知らずだと死ぬ可能性が高くなることが理解できると思います。もし動物や人間がもともと恐れ知らずだったら、不安を感じない存在だったら、多くの命が歴史の中でより失われ、絶滅していたかもしれません。このキノコが毒キノコか分からなくても、とりあえず食べてみよう!とそんなことばかりしていたらその集団や民族は全滅してしまいますし、誰かが恐れて生き残ってそれを伝えていかないと、また次に発見する人たちも同じ目に遭ってしまいます。
こうした生死がかかっており、生き延びることに必死だった時代では、不安や恐れといった行動を抑制するネガティブな思考は必要不可欠だったのです。
しかし現代では、特に日本という国ではある程度そういった安全は保障されています。なので、そういった我々のネガティブな思考習慣が今では時折邪魔になってしまうことがあります。なぜなら、現代のわれわれが抱く不安や恐怖の多くは生死と結びついていないからです。学生時代では、スポーツなどの試合や大会、試験や受験、好きな人への告白、就職など、結果によってはとてもつらかったとしても死ぬほどではありません。なので、こういう環境では挑戦した方がよいに決まっているのです。
少なくとも今を生きている私たちには、全員長く世代をつないできてくれた先祖の方々がいます。そのうちの誰か一人がいなければ今の自分もいないという事です。生き延びることが大変な時代、争いばかりの戦争時代も、ネガティブな思考によって安全を確保し生き残ってくれたおかげなのです。そうしたことへの感謝を常に忘れず、先祖代々の人たちが作ってくれた今の世の中に感謝をしながら、私たちはどんどん挑戦をして、世の中をより良くしていけるように新しい行動を積み重ねていくべきではないでしょうか。
不安や恐怖といったリスクをとらえる視点をうまく利用しながら、行動力を高めるワークがあります。是非「スポーツマンシップラーニングセンター」で一緒に体験してみて下さい!
プジョル