「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。」(チャールズ・ダーウィン)
挨拶は、世界のどの言語にも存在する人間特有の性質の一つです。幼稚園の頃から挨拶の重要性はみんな学校でかなり言われてきていると思います。これは大人になっても変わらず、社会人としてのマナーのうちの一つでもあります。
また、日本で強豪と呼ばれたり、実績を出しているチームほど必ずビシッと誰にでも挨拶をする習慣が身についているようです。
コミュニケーションの方法が現代はどんどん進化しつつあり、時折最近の若者は挨拶をしない等と聞きますが、大人でもきちんと挨拶をすることができない人も良く見かけます。なぜ挨拶をすることが必要なのでしょうか?
ポイントは「節目」という言葉にあります。
例えば人生の節目に行う通過儀礼と言うものがあります。生まれ、成長して大人になり、愛を見つけて結婚し親となり、やがて年を取りこの世を去る。人生にはこうした不変のサイクルと言うものがあります。生きている限り、人生では状況や環境は必ず変わっていくものなのです。そして大きくその状況や環境が変わる節目を、人は大事にしてきました。
変化する、という事は新しくなるという意味です。新しくなるという事は、今までのものが古くなる。例えば自然界もそうです。季節、つまり気温と言う環境の変化によって植物も葉や果実を実らせ、大きくし、やがては落ち葉となります。果実もどんなにおいしく実っても、人が収穫しなければ、地面に落として腐っていきます。
一番上のダーウィンという自然学者の言葉にもありますが、こうした人生に必ず訪れる変化に対して、しっかり対応しなければ人生を前に進めていくことはできません。前に進めたくなくても、人生は変化していきます。
だからこそ人はその変化にしっかりと対応してついていかなければならないのです。この節目の変化をしっかり意識せず何となく過ごしてしまっては、古いものを捨て新しいものを得られなくなってしまいます。もっと良いものが欲しい!と思ってもすでに古いもので両手がふさがっていては新しく受け取ることができません。
人生においてこの古いものと新しいものは、考え方や意識の事です。はっきりと意識をするために、人は通過儀礼を行うのです。
冠婚葬祭だけではありません。学校では必ず入学式や卒業式があり、各学期には始業式や終業式が必ずあります。そして毎授業の始まりと終わりに号令があります。もうお分かりかと思いますが、挨拶もそういう事です。挨拶は、最小単位の通過儀礼なのです。
挨拶は一日の中で基本的には「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」と3つあります。一日が変化していく流れとして朝→昼→夜の流れに合わせたものです。そう、同じことの繰り返しに見える日々であっても実は昨日と全く同じではないのです。毎日毎日いろいろなものを見聞きし感じ、人は成長したり変化をしていきます。
毎日が新しい一日であり、昨日にはなかった可能性を秘めています。
入学式で、これからはもう高校生になったんだから、新たに頑張ろう!と決意をしたり、今までは両親に甘えていたことも、もう中学生だから一人でできるようにしなくては、等と環境の変化=節目に応じて人の意識も変わっていきます。
学校の授業もそうです。今前は休み時間でも、さぁこれから勉強だと意識を変えるために号令で節目を作るのです。号令がなければ休み時間の雰囲気でそのまま授業に入ってしまい、集中力が損なわれ、授業もうるさかったりまとまりがなくなってしまうでしょう。
おはようを通して新しい一日が始まったことを意識し、こんにちはを通して一日の残りが半分だという事を意識し、こんばんはを通して一日が終わっていくことを意識する。一日の始まりと終わりでは、絶対に人は変化しています。そうした小さな変化の積み重ねは、後で振り返ると大きな変化となって感じるものです。急には変化しないのです。
だからこそ毎日を大切にしよう、そういう意識を持つために挨拶はけじめや節目として非常に重要なのです。人間は社会的な存在なので、挨拶という人とのコミュニケーションを通してそれを自覚していくのです。
だから毎日自分が変化をする場所、所属する場を共有する人たちには挨拶を通して気持ちを新たにしていかなくてはいけないんです!
私自身、実は以前までこうした通過儀礼を軽視していました。そんなものはいらないと。特に学生時代には式での先生の話が長いとただ退屈に感じるだけでしたし、社会人になったときも、入社式には出ませんでしたし(全国に拠点があったため、自由参加だった)、歓送迎会等も時間の無駄だと思っていました。しかしそのせいで、社会人になったんだという責任感に気付くのが遅く、ミスもしましたし、独立を目指して仕事を辞めた時もなんだか前職に引っ張られてしまい本当にやりたいことがなんだか自分でわからなくなり、考え方や意識がブレてしまっていました。
変化に対応し、円滑に成長していくためにも、一日一日の節目をしっかり意識していかなくてはいけないんです。そのためにはしっかりと挨拶をして自分はもちろん、相手の意識も一緒に新たにしていきましょう。
挨拶はもちろん、成功を目指す仲間たちと一緒に毎日高めあう環境でより自分自身の成長を目指して、人生に必要な学びを体験してみませんか?詳しくは「スポーツマンシップラーニングセンター」をご覧ください!
プジョル