「ムーミンやしきはいつも賑やかでした。誰でも好きにやっていましたし、明日のことなんかちっとも気にかけません。ちょいちょい、思いがけないことが起こりましたが、そのおかげで、退屈することもありませんでした。これって、本当にいいことですよね。」(「たのしいムーミン一家」より)
「過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の枠の中で生きよう。」(デール・カーネギー)
今日を精一杯全力で生きることに集中する
私が尊敬する元バルセロナのサッカー選手「プジョル」は、サッカーを始めたときお父さんとある一つの約束をしました。それは練習を終えて家に帰るたびに、今日一日全力を尽くしたと思えるならドアを開けて良い。そうでないなら帰ってくる資格がないというものでした。一見厳しいように思えますが、これこそがプジョルの大成した要因ではないかと思います。
99%の人は、毎日余力を残しています。というのも、スポーツ科学の世界では研究結果が出ているのですが、筋肉が100%の力を発揮してしまうとそれは自分の限界値なので、自分の体が壊れ、ケガをしたり命に危険が及んでしまう。そのため無意識のコントロールが働いて、基本的に人は80%くらいの力しか出せません。120%の力を出すには、間違いなく意識的な精神力が必要です。一例として、大声を出したり、集中力を高めることでそのブレーキを外すことができます。
日常でもそうです。忙しかったり疲れたりすることはあっても、100%は出し切れていない、脳が必ずブレーキをかけるので、普通に過ごしていては出すことはできません。しかし今日の100%の積み重ねが明日以降の未来を作っていくのに、いつまでも余力を残した生活をしていては、いつ自分の限界値が成長するのでしょうか?
また全力を尽くさなくてはいけない理由のもう一つが、未来のことはだれにも分からないという事です。明日の天気予報だって、正確には分からないものです。誰とどこで出会い、どんなことが起こるのか、人生は予測不可能です。世の中は、様々なものが複雑に絡み合って生きている世界なので、思いがけないことが起こりますし、常に変化していくものなのです。
だからこそ、今全力を尽くして未来がどんな姿をして私たちの前に現れるのかを見てみようではありませんか?計画なんていくら立てたところで、その計画通りにはいかないものなのです。
だから将来に対しては、大まかな方向性と、いくつかマイルストーン(途中経過目標)の設定だけをしておいて、各目標への向かい方は決めず、毎日を全力で生きる中で運命に任せて向かっていけばよいのです。自分の人生に起こりうるすべての要素を予測しうることは不可能なので、計画は絶対に計画通りにはいかないのです。
この生き方を、天命追求型の生き方と言います。
明日以降の悩みや取り越し苦労をしすぎてしまい、目の前に今手にしている今日を疎かにしたり蔑ろにしがちな人が多いです。
人生は、昨日・今日・明日という1日1日の積み重ねでしかありません。毎日80%や50%しか力を尽くしていないなら、どんな未来が積み重なるか分かると思います。どんなに嫌なことがあっても、嫌な人がいても、いずれ嫌なことは過去に流れ、嫌な人とも合わなくなる時が来ます。愛する人とも家族とも、一緒に過ごせる時間には限りがあるのです。いつかは会えなくなる日が必ず来る。その時に後悔をしないよう、毎日を大切にしましょう。思う存分生き切りましょう。今後のことは明日考えましょう。今できる目の前のことにまず全力を尽くしましょう。
「今、ここ」に集中できた時、思わぬ未来が切り開け、思ってもみなかった道が見えるようになります。
みなさんも、寝る前に一言、「今日自分は全力を尽くせただろうか?」と問いかけてみて下さい。尽くせなかったのなら、寝る資格はありません。それくらい毎日を大事にしていきましょう!
どんな大事も、ある一日からすべてが始まり、その積み重ねで今日まで至ったことを知っておきましょう。さて、今日は全力を尽くした!と言えるようにするためには、あなたは今日一日で何をする必要がありますか?毎日それを書き出すことから始めてみて下さい。
私自身も日々、もっと意識していきます!
プジョル