「あなたは自分が何によって(自分の周りの人に)憶えられたいか?」(ピーター・ドラッカー)
物事を成すための3ステップ
スポーツや勉強でも仕事でも、何か目標を達成したり、物事を成したいと願う事は誰にでもあると思います。毎年お正月に神社へ行き、お願い事をするときも人々は何かを願うでしょう。しかしその願いを達成することで自分が不幸になってしまってはどうでしょうか?結局はすべて個人、家族、国、世界、人類としての幸せに繋がっていなければ、意味がありません。今日は目標達成に向かうための正しい3ステップをご紹介します。「BE=在り方・DO=行動・HAVE=欲しい物」です。
①BE:あなたは自分の人生でどう在りたいですか?何者になりたいですか?
第1ステップは、「BE=在り方」です。最も重要な第1ステップであるにもかかわらず、ほとんどの人はここを飛び越えていきなり第2や第3へ向かおうとするので、土台をしっかり固められず上手くいかなかったり、上手くいっても満たされない感じがするのです。
多くの人は、欲しいもの=HAVEばかり追い求めます。それを実際に手に入れられる人は行動=DOをします。BEとは、なぜ欲しいのか、何のために欲しいのかという目的の部分とも言えます。形の無い真の目標、目的です。そしてこのBEは欲しい物やそのための行動を自分の幸福と結びつけるために重要な部分です。一番最初にご紹介したピータードラッカーの名言もまさにこのBEを問う質問でしょう。
またこのBEを考えない人は、その夢や目標が自己中心的なものになって今います。サッカーでプロになりたい、歌手としてデビューしたい、芸人になって売れたい、勉強して偏差値の高い大学に行きたい、、、。何のためにでしょうか?あなたでなくとも、サッカーがうまい人、歌が上手な人、売れている芸能人、有名な大学に行っている人はいます。他の誰でもなく、あなたではいけない理由は何でしょうか?多くの人の夢や目標は、承認欲求を満たすためでしかありません。つまり、周りと比較して他の人より認められるため、とか何となく好きだからで決めているだけなのです。BEを問う質問を通して自分と向き合うことで、自分が本当に欲しているものを自覚することができます。それと同時に、なぜ自分がこれを達成したり、成さなければいけないかという理由がはっきりするので、決心がつき、次のステップである行動がが促進され、また継続をすることができます。
夢はかなわない人の方が多いともしあなたもお思いでしたら、それは行動ができない・続かないからであり、それは目的や在り方がはっきりしていないからという事に他なりません。それほど重要なステップなのです。
②DO:あなたは何ができますか?何をしますか?何をすべきでしょうか?
第1ステップをしっかりと踏むことができたら、あとはその目標や夢・欲しいものに対して行動できること、今はできなくても今後すべきことややることを考えていきます。ポイントは、継続です。第1ステップをしっかり踏んでいればいるほど諦めずに忍耐強く続けることができるでしょう。というより、その行動をやめたいとか諦めたいとさえ思わなくなります。努力を努力と思わなくなるのです。自分がしなければならない理由がはっきりしていて、覚悟を持った決断をしているので、この行動の過程が楽しくて、誰かに言われてやるのではなく自らやりたくてしょうがなくなるのです。
この行動を継続する時に、参考になるのが「TOTEモデル」です。
何かに挑戦し、行動を重ねている人には必ずうまくいかないことや、失敗が付きまといます。しかしここがチャンスで、次また何か条件を変えて行動を続けるのです。テストして、ダメなら操作して、またテストして、それでもだめならまた操作をして、それを繰り返していくうちに出口・ゴールにたどり着くことができるということです。たいていの人は操作をせず諦めます。
例えばテスト勉強をしたのに思うような点が出なかった時、多くの人が私は勉強が苦手なんだとか、私にはできない等と思い込んでやらない理由を作り、諦めます。しかし結果を出す人は、次のテスト勉強では1週間準備を速めて、教科書をもう1週読む時間を増やして、、、などと操作をしてまた次トライします。そうしていくうちに、どうやればうまくいくのか自分なりの方法がつかめてくるのです。
③HAVE:何が欲しいですか?手に入れたいものは何ですか?いつまでにどのくらい欲しいですか?
BEで手に入れた自分の在り方を、行動を通して、目に見える形として残していく。この有形目標がHAVEです。たいていの場合、自ずと手に入るおまけのような領域です。例えば、世界一上手なピアニストになって、音で日々を忙しくしている人にリラックスと「時間」を与えたいと思っている人がいるとします。そのためにたくさん練習という行動を重ねることで、次第に素晴らしいピアニストへと成長していくはずです。その結果、その人の奏でるピアノを聞いて感動した人々が、その人を有名にしたり、その人にお金を支払ってくれたりするわけです。そうなると、自分のコンサートを開くことができるようになるかもしれません。木でいうところの果実のようなものでしょう。
しかしこうして手に入れたHAVEの領域での幸せという感覚は、脳のドーパミンという物質が分泌されることによって生じる感覚なので、一時的でかつもっと欲しがるようになります。ドーパミンの餌食になってしまうと、求めすぎてしまい最終的には結局失い、不幸になります。例えばお金が欲しいあまり人から奪って捕まり、投獄されて幸せな人生を生きれなくなってしまうようなものです。
有形物質はしっかりと段階を踏んで手に入れることができれば自分の人生をより豊かにしてくれますが、ここだけに意識が向いてしまうと手に入れられないどころか、不必要に自分の人生の時間や幸福、また場合によっては健康なども失うことになるでしょう。
物事には順序がある
①で自分自身の領域をしっかり整える、つまり自分の人生で何を成したいのか、どういう人間になりたいのかを自分の個性どおり、感じるままに決め、心と身体の健康を整える。②で他者や自分の外にある情報と積極的に繋がりながら試行錯誤を重ねて行動を積み重ねる。ここでの行動によって、自分の目標が他者のための目標へとブラッシュアップされていき、自分の周りの人たちとの関係性を大切にする。そうしていくことで、結果として③で目に見える自分の欲しい物や環境、能力を手にしていくことができる。これが幸せを感じながら目標を達成していくためのステップです。BE→DO→HAVE、この順番が最も大切なのです。
現代の教育では、①のBEを考え深く向き合う時間はなかなかありませんし、②の行動も、社会で決められ、外側から与えられた行動ばかりで主体的に行動する機会がそう多くありません。大事な最初のステップを飛び越えてしまうから、目に見えるものばかり追いかけ、頭の良い人たちにドーパミン中毒にさせられ、自分で選んでいるようで選ばされた人生を送る羽目になるのです。そんなストレスと不満の絶えない人生を送らないように、しっかりと自分自身の在り方を見つめるトレーニングを一緒にしていきませんか?詳しくは「スポーツマンシップラーニングセンター」をご覧ください!
プジョル