「君はただ眼で見るだけで、観察ということをしない。 見るのと観察するのとでは大違いなんだ。」(シャーロック・ホームズ)
「もし私が価値のある発見をしたとしたら、それは才能のおかげではなく、辛抱強く観察したからに過ぎない。」(アイザック・ニュートン)
本日はNLPの前提シリーズ第7回です。NLPとは?やNLPの前提って?と言ったことに関しては、NLPの前提シリーズ①に書きましたので、そちらをご覧ください。(https://puyoleducation.jp/nlp%e3%81%ae%e5%89%8d%e6%8f%90%e3%82%b7%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%ba%e2%91%a0/)
⑦行動をキャリブレートする
「キャリブレート」とは、「観察」という意味です。観察は、ただ見る事とは違います。目に見える状況の裏側に存在する目には見えない構造や思考などを汲み取れるほど凝視することです。
その人の行動をよく観察することで、その人に関する最も重要な情報を得ることができます。その人の行動には、その人の思考や感情が現れます。そして行動は嘘をつけません。本当にその夢を叶えたいと強く思うなら、その意のまま行動するでしょう。しかしいくら夢を叶えたいと言葉では言えても、行動していないならそれほど思いが強いわけではない、もしくは行動できない何かの理由があるということです。
行動を観察することで人生を変えた人がいます。
その人は、18歳の時、当時死の病として恐れられていたポリオという小児麻痺の病気にかかってしまい、奇跡的に意識は戻ったものの、全身が麻痺してしまい、眼しか動かせないという状況に突然なってしまいました。毎日ベッドに寝たきりか、椅子に座らせられるか、しかなく体を動かせない日々を過ごしていたのですが、ある日、自宅の窓から庭で妹が動き回って遊んでいるのを目にしました。あんな風にもう一度体を動かして、歩いてみたいという思いを抱いてから、彼は毎日何週間も何か月も人がどうやって体を動かしているかという仕組みやどういった考えや意識で動かしているかを観察し続けました。病気になる前、どのような意識で動いていたか、筋肉や骨をどう使っていたかを思い出し、観察から得た構造通り体を動かそうと毎日毎日意識をしていると、ある日ぴくっと指が動いたのです。それから意識して動きを再現できるようになっていき、最終的には立って歩くことができるようになり、奇跡的な回復を遂げたのです。
彼の名はミルトン・エリクソンと言い、NLPが作られた時の成功者のモデルとなった一人です。この苦難から得た「観察」というスキルと、その観察から得た相手の情報に心から寄り添うコミュニケーションを駆使し、精神科医としてどんな患者もあっという間に治療する奇跡の人となり、今でも彼の手法は研究され続けています。
私も、このキャリブレーションというものを学んでから、特に好きなサッカーを見る時に訓練の一環としてただ見るだけでなく選手の細かい動作や姿勢、一つ一つをよく見て観察するようにしています。そうすると、面白いことにチームが失点をする瞬間の予測が的中する時が何度かあり、自分でも驚いてしまうようなことがありました。有名な監督は、選手交代で試合の流れをガラッと変えたりすることがありますが、日々の練習や対戦相手の映像の分析などからくる観察の深さがそのような魔法を実現させているのだと思いました。
観察は、意識しなければできません。ただ見ているだけでは、その人の表層しか見ていないのと同じです。物事の表面ではなく、もっと深くにある中身が大事なのです。
いくらきれいで豪華なラッピングがされた箱があるからと言って、中に良いものが入っているか分かりませんよね?うんこが入っているかもしれない。しかし表面ではわからない。その表面をじっくり観察し、なぜこんなに豪華な包装にするのだろうか?中身の貧しさを隠すためかもしれない。包装紙の折り目はどうか?中身がうんこなら、きっと適当に紙も折られ、紙を貼り付けるテープも適当に貼られているかもしれない、、、等、少し例えはイマイチかもしれませんが、観察せずただ表面だけで判断しては、それを理解しているとは到底言えないのです。
成功する人・上手くいく人は、みんながただ見ているものから、より深い表面の奥にある思考や構造を掴み取って差をつけているのです。是非身の回りや自分自身の行動から観察する癖をつけてみて下さい!日常は、きっと気付かなかった学びに溢れていますよ!
プジョル